03
気持ちを落ち着ける為に大きく深呼吸して、木々の中に伸びる道を歩き出す。
(村に行ってみよう。見張りを追い出した後、どうなっているか心配だわ)
そう思って村へと向かっている途中、ふと足を止める。
ただならぬ気配が、体を緊張させる。
(囲まれてる?)
しかもそれは時には荒御魂よりも厄介な、人の気配だった。
身構えた瞬間、木々の間から数人の男が飛び出して来た。
「よう、坊主。荷物を全部置いて行きな」
「…………」
断ったところで引き下がってくれるような相手ではない。
輝夜は黙ったまま、弓矢を構えた。
自分達の優位を確信しているらしい男達は、動じずに笑みを浮かべている。
輝夜は距離を詰めて来る相手を睨み、どうやってこの場を切り抜けるかを考える。
何とかして、この輪を突破しなくては。
- 83 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet