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朝早い道を歩いて、村へ向かう。

何か悪い変化が起きていなければ良いが。

まだ領主の屋敷へ踏み込む術は見付からず、様子を探るだけの毎日だけれど。

もしも理がこちらにあるならば、必ず道は拓ける筈だ。

自分はいつだって、自分自身が信じる道を理と貫くしか無いから。

誰よりも自分が疑わしくても。

前へ行くしか無いのだ。

そう思いながら足を動かしていた飛龍は、立ち止まって顔を上げた。

静かな朝の空気を乱す気配がある。

刃がぶつかり合う音、微かな血の匂い。

戦いの気配だ。

それも複数の人数によるもの。

喧嘩などという生易しいものではない戦い。

経験から瞬時にそこまで読み取って、飛龍は道の先へと駆け出した。

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Reservoir Amulet