07


奇妙に思いながらも、地面に転がったままの弓を拾い上げて少年に差し出す。

「ほら」

「あ、有り難うございます」

弓を受け取った少年は、我に返った様子で慌てて頭を下げた。

「あの、助けて頂いて有り難うございます」

「礼などいらんさ。この辺りの治安は良くない。一人で歩くなら気を付けろ」

「はい」

忠告を素直に聞き入れ再び丁寧に頭を下げる少年に、飛龍は余計心配になった。

こんなに他人を信じ易い男が、無事に目的地まで着けるだろうか。

念の為に言葉を付け足す。

「悪い事は言わん。早く高千穂から出て行った方が良いぞ」

それだけ言い残し、その場を後にする。

すぐに背を向けたから、言われた相手がどんな顔をしていたかは分からなかった。

それでも、人を貫くような蒼い眼差しは印象に残った。

ああいう瞳の者は、見た目がどうあれ中身は強い事が多い。

案ずるまでも無かったかと。





- 87 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet