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村は穏やかで、見張りの姿も見えない。

(良かった。心配したけど今のところは大丈夫そうね)

ほっと胸を撫で下ろし、ふと昨日会った老婆と話している人物が目に映った。

背の高い、若い青年。

(あっ。あの人、今朝の……!)

会いたくないと思っていたのに、こんなにすぐにまた会ってしまうとは何て事だろう。

思わず建物の陰に隠れて様子を見る。

気さくな表情で話をする青年の周りには、いつしか村人が集まっていた。

それは戦いの中で見た険しい雰囲気とは違う。

自然に人が集まって行きたくなるような、惹き付けられるものがある。

輝夜は青年から目を離せずに、自分の胸に手を当てた。

(今朝は少し怖い人かと思ったけれど、違うみたいね)

それに、彼は。

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