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胸が締め付けられるように痛む。
分かってしまった。
あの人こそ、ずっと会いたくて堪らなかった人なのだと。
高千穂に来てからの落ち着かない感情は、彼が側にいたからだと。
胸の高鳴りも、気のせいなどでは無かったのだと。
自分はずっとずっと、彼に呼ばれていたのだ。
呼ばれて、此処へ辿り着いたのだ。
泣きたくなる程、嬉しい。
どんなに認めたくなくても、こんな所にいる筈無いと打ち消しても。
遂に、本当に会ってしまった。
輝夜は息をつき、ざわめく胸を鎮めるように目を閉じる。
間違いは無い。
確信は、揺らがない。
彼が、帝だ。
この豊葦原を治め、世界を変える。
光と闇に生きる、帝だ。
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Reservoir Amulet