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村から出て砦への道をしばらく歩くと辺りは深い森になる。

飛龍は少し行った所で足を止め、自分の右手の木の茂みを見詰めた。

すると、そこから赤羽が大きな体を現した。

「よう、飛龍。村はどうだ。変わり無かったか?」

「変化はあったな。悪い変化ではないが」

飛龍は一瞬後ろを窺ってから、すぐに何事も無かったように続ける。

「そちらはどうだ?」

「全然駄目だな。奴が屋敷から出る様子はねえし、結界を張ってる術者も見付からねえ。こりゃ本当に領主の奴が……」

言い掛けた赤羽を飛龍が制し、自分の後方に向かって声を掛ける。

「出て来い」

少しの間の後、木の陰から小柄な人物が姿を見せた。

珍しい黄金色の髪を高く結い上げていて、こちらを見据える瞳も珍しい蒼色。

そして、弓矢を携えている。

「何者だ?」

身構えた赤羽を再び制して飛龍が言う。

「村からずっと、俺をつけていただろう。こんなにはっきり気配を悟られているようでは、間者には向かんぞ」

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Reservoir Amulet