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「ん?」
怪訝な顔をした二人には構わず少女は続ける。
「帝はまほろばの宮にいるのではないの?」
「……ほう」
飛龍は改めて少女を見返し、興味深そうに尋ねた。
「お前、俺が何者か知っているのか?ただの村娘ではないようだな」
「ただの娘よ。だけど分かるわ。貴方に会いたくて、私は旅に出たの。まさかこんな所で会えるとは思わなかったけれど」
「俺に?何故だ」
「訊きたい事があったから」
それ以上は語らない少女の強い瞳に、飛龍は探るように目を細めた。
「妙な女だな。村から見張りを追い出したのはお前か?」
「ええ。でも私一人では、これ以上は何も出来ないわ」
軽く息をついて飛龍を見上げ、先程と同じ質問を繰り返す。
「貴方は、どうして此処にいるの?」
「俺は将軍として戦に参加している。今回はこの地の領主を討伐する為に来たんだがな」
「おい、飛龍!そんな事を軽々しく話すなよ」
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Reservoir Amulet