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小、中学校に通う間に施設で育てられ、親の事を何一つ覚えていない勇を、クラスが受け入れる事は無かった。

何も言わなくても、そんな話だけは何故か皆に広まるのだ。

特に中学は受け入れない傾向が強く、小学生だった頃は嫌がらせ程度で済んでいた事が、あからさまな暴力へと発展した。

毎日のように喧嘩を売られる。

無視すれば嘲られ、相手にすれば問題児として教師に呼び出される。

うんざりするような日々だった。

その日も同じように数人の男子達に馬鹿にされていた。

普段は全く気にも留めない下らない内容だが、この言葉はやけに胸に刺さった。

「お前施設にいるんだろ?どうせ捨てられたに決まってるよな」

「こんな奴、生まれて来たって誰も歓びやしねえよな」

笑い声。

お前らに何が分かる。

当たり前のように家があって家族がいるお前らに。

自分だって、自分だって決して望んだ訳じゃ無い。

どうしようもない事なのに。

どうして馬鹿にされ、嘲られなければならない。

生きる価値を、否定されなくてはならない。

どうして。

そして気付いた時には、教室のガラスは割れ机は倒れていた。

男子生徒達は血を流したりうめいたりしながら横たわっている。

教師の怒鳴り声や女子生徒達の悲鳴をまるで夢の中の事のように遠くで聞きながら、教室を飛び出した。

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