23


「こんな所にいたのかい?勇」

強く風が吹く屋上の手すりにもたれてぼんやりしていた勇は、ゆっくりと顔を上げた。

後ろから近付いて来る誠に何か言おうとしたが、誠はその肩を軽く叩いて微笑む。

「何も言わなくていい。分かっているから」

勇が教師に注意を受け保護者が呼び出される度、施設に勤め幼い頃から面倒を見ていた誠がやって来た。

そして血の繋がりなど無いのに、小言や非難の声を一人で引き受けている。

その事に罪悪感を覚え、もう問題は起こさないと決めていたのに。

またやってしまった。

全く、こんな自分がどうしてこの世に生まれ、存在しているのだろう。

何の為に生きているのだろう。

- 103 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet