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人は一人で生きて行く事も出来るだろう。

それでも、誰かが側にいてくれる事程心強い事は無い。

安らげる事は無い。

「……なれるよ、勇なら」

勇の話を聞いた後、ひかりは微笑んで言った。

「勇は言ってくれた。俺が証になってやるって……。嬉しかったな。他のどんな物を貰うより、嬉しい言葉だった」

雨粒を含んだ風が吹き、ベランダに立つ二人の髪を揺らす。

「そんな、一番欲しい言葉をくれる勇なら……。それが分かる勇なら、きっとなれるよ。優しくて素敵な先生に」

ひかりは髪を押さえ、勇の方を見た。

「それでも不安になってしまう時は、私が側にいる。勇が私にしてくれたように、少しでも安らぎをあげたいと願うから」

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