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「そうだよね。とても悲しい事だけど。時空間移動が自由に出来るようになったら、過去も未来も好きなように操れる。それは人間の手には余る。使い方一つ誤るだけで、恐ろしい事が起こるかもしれない」

自分だけでなく、他人の過去や未来も変えてしまうかもしれない。

簡単にその存在を消す事も出来るかもしれない。

「だから俺の両親は、研究を止めさせようとしたのか」

「うん。でもそれだけじゃない」

ひかりは紅茶を飲み、小さく息をついて続けた。

「時を越えるのは、とても負担が掛かるの。だから場合によっては、記憶を失う事もある」

重力に逆らって何かを飛ばすにしてもエネルギーが必要だ。

まして時を越えるとなれば、多大なエネルギーを消費するだろう。

その影響をもろに受ければ、それは大きな苦痛を伴うものにもなる。

記憶を閉ざして精神を守らなければならない程の。

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