05


出掛ける支度を整えた頃、玄関のチャイムが鳴った。

ひかりが顔を上げ、深夜の来訪者を迎える為に玄関へと向かう。

勇もその後を追った。

開けたドアの向こうには、予想通りの人物が立っていた。

「こんばんは」

笑みを浮かべた宴が挨拶し、持っていた大きなバッグを床に置いた。

「取り敢えず、手に入るだけかき集めて来ました」

「有り難う」

ひかりはバッグを重そうに持ち上げ、玄関に立っている宴に言った。

「黒矢さんも、入って。私達に訊きたい事もあるでしょう?」

「……ええ」

頷いた宴の視線が、ひかりから勇へと移る。

「入ってくれ」

勇はずしりと重いバッグをひかりから受け取りながら、何気無い調子で口を開いた。

「あんたは俺達にとって重要な情報を持っている。出来たら協力してほしいんだ」

「分かりました」

長い夜になる。

後戻りは、もう出来ない。

これは自分自身の為であり、そして。

出会った大切な人達の為でもあるのだから。





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