07


あの夜も、こんな嵐だった。

痛い程に叩き付ける雨粒と、轟く雷の音。

それらを、まだ肌が覚えている。

正面で、宴が派手に戦っているのが分かる。

勇とひかりは足音を忍ばせて、侵入した研究施設の最深部へと向かっていた。

建物の中は異常を告げる警報が鳴り響き、時折人々が慌ただしく駆けて行く。

二人はそれらを危なげ無く避けながら、確実に目的の場所へ近付いた。

「さすがだな、宴の詳細地図」

「うん。陽動もしっかりやってくれてるし、頼りになるね」

宴に協力を要請した二人は、今日の計画を話した。

勇がいずれ殺されるという未来を変える為、またこの先に同じ事を繰り返さない為に。

時空間移動の研究が行われている施設に乗り込むと。

宴は驚いていたが、反対はしなかった。

そして研究施設の詳細な地図を渡し、更に自ら陽動役を買って出た。

どうしてそこまでしてくれるのかと尋ねると、彼は顔を歪めて言った。

『私には咎があるんです。貴方がたに対し、どうしても償い切れない咎が』

それから、宴は語り出した。

下手に言葉を選ばず、率直に。

十年前の真実を。

彼の知る、嵐の夜の出来事を。





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Reservoir Amulet