08
深い闇夜を切り裂く雷鳴。
受けた依頼は単純だった。
研究の妨げとなる存在を排除する事。
神崎という名字の夫婦が標的だった。
彼等は研究者として研究に携わっていたが、その危険性とやり方に反発していた。
故に、上から目を付けられたのだ。
指示通りに真夜中に研究施設を襲撃し、泊まり込んでいた神崎夫婦と対峙した。
共にいたのは護衛として雇われているらしいもう一組の男女と、そして。
幼い一人の子供。
資料によれば、勇という神崎夫婦の子供だ。
二人が研究の為に長く家を留守にする事が多かった為、ほとんどの日を此処で過ごしていたのだ。
この場に居合わせてしまった事は不運だと思ったが、今更止める訳には行かない。
表情を変えずに銃を構えた時、雷が鳴った。
停電をしたのか、照明が落ちる。
辺りが闇に包まれる。
その瞬間、護衛の二人からの反撃を受けた。
素早く交わしたが、左頬に熱いものが走った。
赤黒い液体が、傷口を覆った指の隙間からこぼれる。
けれども、ひるんではいられない。
続けざまに銃を撃つ。
立ち込める硝煙の匂いと、そして。
雷光が部屋を照らす度に視界を埋める、赤。
- 140 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet