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深い闇夜を切り裂く雷鳴。

受けた依頼は単純だった。

研究の妨げとなる存在を排除する事。

神崎という名字の夫婦が標的だった。

彼等は研究者として研究に携わっていたが、その危険性とやり方に反発していた。

故に、上から目を付けられたのだ。

指示通りに真夜中に研究施設を襲撃し、泊まり込んでいた神崎夫婦と対峙した。

共にいたのは護衛として雇われているらしいもう一組の男女と、そして。

幼い一人の子供。

資料によれば、勇という神崎夫婦の子供だ。

二人が研究の為に長く家を留守にする事が多かった為、ほとんどの日を此処で過ごしていたのだ。

この場に居合わせてしまった事は不運だと思ったが、今更止める訳には行かない。

表情を変えずに銃を構えた時、雷が鳴った。

停電をしたのか、照明が落ちる。

辺りが闇に包まれる。

その瞬間、護衛の二人からの反撃を受けた。

素早く交わしたが、左頬に熱いものが走った。

赤黒い液体が、傷口を覆った指の隙間からこぼれる。

けれども、ひるんではいられない。

続けざまに銃を撃つ。

立ち込める硝煙の匂いと、そして。

雷光が部屋を照らす度に視界を埋める、赤。

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