11


ガラス戸の向こうに、一人で仕事をしている男性が見える。

声を掛けようか迷っていると、向こうの方がこちらに気付いた。

立ち上がり、戸を開く。

「どうしました?」

まだ年は若いけれど、誠実そうな瞳。

この人になら、任せても大丈夫だ。

直感的にそう思い、歩み寄る。

「突然すみません。この子を預かって頂けませんか」

「あの、貴方は?」

そう尋ねた相手に、抱えたままだった勇を託す。

「いつか、また来れるかは分かりません。ですが、どうかお願いします」

「待って下さい。貴方、ひどい怪我じゃないですか。手当てを……」

「どうか、お願いします」

- 143 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet