13
進む度に、深く封じていた何かが警鐘を告げるようで。
思わず自分の頭を押さえると、ひかりが心配そうに訊いて来た。
「大丈夫?」
「……ああ」
安心させるように答えてから、低い声で言う。
「無くしていた記憶を取り戻すっていうのは……確かに辛いもんだな」
「勇……」
案ずるような大きな瞳を見て、勇は微笑んだ。
「だが、それだけじゃない。暖かい記憶もあるからな」
此処に来て、少しずつ思い出して来た。
それは辛くて苦しくて、どうしようも無く哀しくもあるけれど。
暖かなものも、確かにあるのだ。
それは寒い冬の日溜まりのように。
思い返すだけで胸が暖まる、光の記憶。
- 145 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet