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進む度に、深く封じていた何かが警鐘を告げるようで。

思わず自分の頭を押さえると、ひかりが心配そうに訊いて来た。

「大丈夫?」

「……ああ」

安心させるように答えてから、低い声で言う。

「無くしていた記憶を取り戻すっていうのは……確かに辛いもんだな」

「勇……」

案ずるような大きな瞳を見て、勇は微笑んだ。

「だが、それだけじゃない。暖かい記憶もあるからな」

此処に来て、少しずつ思い出して来た。

それは辛くて苦しくて、どうしようも無く哀しくもあるけれど。

暖かなものも、確かにあるのだ。

それは寒い冬の日溜まりのように。

思い返すだけで胸が暖まる、光の記憶。

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Reservoir Amulet