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昔、幼い自分が両親と共にこの研究施設を訪れていた頃。

度々会う事があった、二人の大人がいた。

どうして彼等が一緒にいたのか、当時は分からなかった。

ただ両親の友人と紹介され、話したり遊んだりしてもらったのを覚えている。

夕村という名字の男女に。

共に過ごす中で、聞いた事がある。

ひかりという名の、彼等の子供。

まだ生まれたばかりだという姿を、写真で見せてもらった。

その愛らしい姿に、愛おしむような瞳で語る姿に、胸が熱くなった。

もしもいつか会う事があったら仲良くしてほしいと言われ、迷わず頷いた。

幼い心に思ったのだ。

優しい彼等の大切なものを、自分も守りたいと。

そう思ったから、誓ったから。

目の前で傷付き失われて行くのに、何も出来なくて。

庇われるまま、体がすくんで動かなくて。

遠くなる意識の中、守りたい名だけは手放さなかった。

ひかり、と。

もしもいつか会う事があったら。

その時はきっと、君を守ると。

もしもいつか、会えたなら。

今はこんなにも無力な自分だけど。

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