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「……勇?」

視線に気付いたひかりが首を傾げた。

「いや、何でもない」

「そう?」

守れるだろうか。

守りたいと語った彼女が、何処までも真っ直ぐで迷いが無いように。

自分もそう在れるだろうか。

かつて、庇われ助けられるだけだった自分は。

「ええと、この先だね」

ひかりが地図に目を落とし、廊下を先へと進む。

「この施設、入ってみると随分広いな」

「一応国家機密を扱ってるから、それなりの設備を整えてるんだよ。地下のスペースを大きく取って、外からは分からないようにしてるみたいだし」

実際、何度か階段を下りて既に地下へと入っていた。

幼い頃の自分も知らない場所だ。

両親も地下へは連れて行かなかったし、あの夜に宴と会ったのも、もっと上の地上階だった。

「お前も迷わずに歩いてるよな。地図があるにしても、大したもんだな」

すると、ひかりは微かに笑った。

「私は、前に一度潜入してるから。十年後も今も、施設にあまり変化は無いみたいだし。むしろ、セキュリティーが緩くて入り易い位」

「……大物だな、お前」

「そうかな。私が落ち着いていられるのは、多分、勇がいてくれるからだよ」

不意に自分の名前が出て、勇は息を飲んだ。

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