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「……うん」
ひかりは微笑んで頷くと、歩み寄って来て隣に立った。
「勇なら、出来るよ」
「ああ、有り難う」
本当に、何て恵まれているのだろう。
語る夢を、こうして聞いてくれる存在がすぐ側にいるなんて。
その奇跡に感謝しながら、ガラスに添えられたひかりの手に自分の手を重ねる。
「勇?」
こちらを見た大きな瞳を見詰めて語り掛ける。
「俺、お前に」
「どうもお待たせしましたー」
唐突に足音と別の声が響き、勇の言葉は中断させられた。
戦闘の疲れを全く見せずに入って来た宴が、二人の様子を見て目を瞬く。
「おや、これは失礼しました。私に構わず、どうぞ続けて下さい」
「…………」
沈黙の後、勇は無言のまま手を放して宴の方を向いた。
「あんた、わざとか?」
「とんでもない。たまたまですよ、たまたま」
「黒矢さん、陽動お疲れ様。おかげで首尾良く入り込めたよ」
一向に気にした様子の無いひかりが労うと、宴は微笑んで返す。
「お役に立てたなら何よりです」
それから、複雑な表情をして付け足した。
「……お二人共、私を責めないんですね」
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Reservoir Amulet