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「いいよ。他にも危ないデータが詰まってたし。……これで、少しは在るべき形に戻ってくれたら良いんだけど」

「研究は人の為に、ですね」

「……大丈夫さ、きっと」

勇は近くのデスクに置いていた、書類の束を手にした。

「大切なものは此処にあるしな。これから変えて行ける。……変えてみせる」

「うん」

「私も協力しましょう」

心強い言葉に背中を押され、ようやく此処まで来たと思えた。

これからやるべき事が沢山あるから、ようやく始まると言うべきかもしれない。

けれど、これは確かな到達点だ。

新たな目標が出来、何も無いと思っていた自分は過去のものとなった。

共にいてくれる人がいる。

愛しい存在が微笑みかけてくれる。

一つのささやかな幸福へと辿り着き、そしてまた此処から始まる。

きっと意味のある道行きが。





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