26
「いいよ。他にも危ないデータが詰まってたし。……これで、少しは在るべき形に戻ってくれたら良いんだけど」
「研究は人の為に、ですね」
「……大丈夫さ、きっと」
勇は近くのデスクに置いていた、書類の束を手にした。
「大切なものは此処にあるしな。これから変えて行ける。……変えてみせる」
「うん」
「私も協力しましょう」
心強い言葉に背中を押され、ようやく此処まで来たと思えた。
これからやるべき事が沢山あるから、ようやく始まると言うべきかもしれない。
けれど、これは確かな到達点だ。
新たな目標が出来、何も無いと思っていた自分は過去のものとなった。
共にいてくれる人がいる。
愛しい存在が微笑みかけてくれる。
一つのささやかな幸福へと辿り着き、そしてまた此処から始まる。
きっと意味のある道行きが。
- 158 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet