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「おや、勇君?どうしました、こんな所で」

声を掛けられて顔を向けると、宴が廊下を歩いて来た。

「どなたかいらっしゃるんですか?」

応接室の前に立っている勇を見て尋ねる。

「ひかりだよ。今、中で面接中らしい」

「ひかりさん?ああ、懐かしいですね」

目を細めた宴は、何かに思い当たったように手を叩いた。

「成程。期待の新人とは、ひかりさんのことだったんですね」

「新人?まだ面接も受けてないのに、もうそんな話が出てたのか?」

随分気の早い話だ。

「それは当然でしょう。ひかりさんは受かるに決まっていますよ。何と言っても、我々の研究を体を張って試した人ですから」

「そりゃそうか。しっかり記録も残ってるしな」

以前に協力して成した事は、きちんと残っている。

それは現在の研究にも受け継がれ、此処の雰囲気はずっと優しく暖かくなった。

「勇くんと共に、ひかりさんも伝説となっていますからね。清世【きよせ】さんも、面倒がりながらも内心嬉しいでしょう」

今ひかりの面接をしている同僚の名を出して、宴が笑う。

「彼の面倒見の良さは、君も良く知っているでしょう?」

「……まあな」

此処は以前のように、暗く冷たい場ではない。

志を持った研究者達が集まり、機密を守りながら日々励んでいる。

此処ならば、ひかりが来ても困る事はないだろう。

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