04
補習を終えた勇が教室の引き戸を開けると、既に隼は学校に来ていた。
「おはよう、勇」
「ああ、おはよう」
勇の前の席に座っている隼は、後ろを向いて告げた。
「ねえ知ってる?今日、うちのクラスに転入生が来るんだって」
「……転入生?」
勇は一瞬嫌な予感を覚えたが、気のせいだろうと片付けた。
「珍しいよね。三年の、こんな時期に転入なんて」
確かに珍しい。
受験生で転校なんて、勉強にも支障が出るだろう。
勇が考えているとチャイムが鳴り、少し遅れて担任の教師が入って来た。
教卓の前に立ち、ぱんぱんと手を打ち鳴らす。
「はい、とっとと席に着け。転入生の紹介が出来ないからな」
それを聞いた生徒達が、がやがやと自分の席に着く。
それを確かめてから、担任の教師は入り口の方に視線を向けた。
「入っていいぞー」
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Reservoir Amulet