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「よく分からないけど。試しにテストを受けさせてもらったら、何だか結果が良かったみたいで。学費半額免除で入れてもらえたの」

ひかりはきょとんとした顔のまま言ったが、それは凄い事ではないだろうか。

ひかりが編入試験をほぼ満点で通ったというのは、どうやら本当らしい。

勇はそこでふと気付いて尋ねた。

「そういえばお前、一体何処から転校して来たんだ?」

ひかりは記憶を失っているのだから、当然以前通っていた学校など分からない筈である。

「ええと、そんなのは適当に」

「適当にって……」

何かやばい事でもしたのだろうか。

ひかりならやりかねない。

可愛い顔をして何をしでかすか分からない娘なのだ。

追求して巻き込まれるのも嫌なので、勇は聞かなかった事にして鞄に教科書を入れ始めた。

するとひかりが顔を覗き込んで来た。

「勇、今日はこのままバイトに行くの?」

「いや、先生に呼び出しされたから職員室に寄ってから行く」

「呼び出しって、何か悪い事したの?タバコ吸ったとか。恐喝したとか!」

勇は息を吐いて鞄を持ち上げた。

「そんな訳無いだろ。それじゃあな」

「……またね」

ひかりは何か言おうとしたようだったが、結局はただそれだけを口にした。





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