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「まあ、そういう訳で今日から入る事になった夕村ひかり君だ。こんな可愛い女の子が来てくれれば商売繁盛間違い無しだな!」

上機嫌に語る店長の横に立つひかりを前に硬直している勇を、隼がにやにやしながら腕で突く。

(嫌がらせだ!これは間違い無く嫌がらせだ!)

これはもう冗談で済まされる状況ではない。

済ませたくない。

済ませてなるものか。

これではほとんど一日中ひかりと共にいるようなものだ。

今まで何となく流されて来てしまったが、今度こそびしっと言おう。

せめて学校かバイト、どちらかを辞めてくれと。

そこで店長が仕事に戻るよう告げて立ち去った後、勇はひかりに言った。

「おい、お前どういうつもりだ。嫌がらせだろ?俺に何か恨みでもあるのか」

「違うよ」

ひかりは心外とばかりに大きく首を振る。

「じゃあ何を考えてるんだ」

「何って、勇の事」

他に何があるとばかりにさらりと言い切られた。

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