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勇は電気を消して、リビングのソファに横になっていた。

寝室のベッドはひかりに譲った形になっているので、ここ最近はずっとソファで寝ている。

体は疲れている筈なのだが、妙に目が冴えている。

『あいつは、まだ何か企んでる』

先程の自分の言葉を思い出して息をつく。

あの何を考えているのか分からない宴の事だ。

またとんでもない事を考えていそうな気がする。

頭の痛い話だ。

一つ寝返りを打つと、カーテンの隙間から射し込む月の光が見えた。

それは流れる雲のせいか、時折不安定に揺れる。

それを見ている内にふと、気遣う瞳をしていたひかりを思い出した。

結局は何も訊いては来なかったけれど、何かを言い掛けて途中で止めた。

彼女は何を思っていたのだろう。

『勇はどうして命を狙われてるのかな?』

自分に、殺される程の理由があるとしたら。

考え掛けて、遮るようにもう一度寝返りを打った。

今のままで何とかなっているのなら、それでいい。

面倒はごめんだ。

風が強くなったのか、窓が小さく音を立てた。





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