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「……!」

突然自分の名を呼ばれて驚いた勇が少女を見ると、少女は先程と全く変わらない様子で静かに勇を見返した。

「私が覚えている事は、これが全部……」

勇は大きく息を吐き出して髪をかき上げた。

なんて厄介なものを拾ってしまったのだろう。

こういう事にはこれ以上関わらない方が絶対いい。

きっと面倒な事になるから。

「この服、貴方の?」

ひかりと名乗った少女が、自分が今来ている明らかにサイズが合っていないシャツを見て言った。

「ああ。お前の服はびしょ濡れだったから、あんなの着てたら風邪ひくだろ」

勇はそう言ってからふと気付いた。

それはまずい事ではないだろうか。

ひかりは幼くは見えるが、雰囲気からして勇と同い年か少し下位だろう。

そんな年頃の少女の服を着替えさせるなんて、犯罪になりかねないかもしれない。

あの時は慌てていて、とてもそれどころでは無かったのだが。

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