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道路に車を送り出してから、勇はふと空を見上げた。

灰色の空から、小さな雨粒が落ちて来る。

勇は冷たい雫が顔を濡らすのも構わず、しばらく空を眺めていた。

「これは、しばらく止みそうもないねえ」

いつの間にか隣に立っていた店長が、同じように空を見上げて独り言のように言った。

「ほら、早く屋根の下に入らないと風邪ひくよ」

店長に促されるように肩を叩かれ、勇はスタンド内に戻った。

その背後で、雨は益々激しさを増した。

心の糸を鳴らすように、強く強く。





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Reservoir Amulet