10
「誠【まこと】さん、おかわり飲む?」
「有り難う、頂きます」
ひかりが新たに注いだコーヒーを一口飲んでから、誠はしみじみと言った。
「しかし驚きましたねえ。ドアが開いて女の子が出て来た時は。一瞬部屋を間違えたのかと思いました。同棲なんて、ちょっと見ない内にやるようになりましたね、勇」
「人聞きが悪い事を言うなよ」
「同棲って何?」
不思議そうな顔でひかりが尋ねると、誠は指を立てて言った。
「同棲というのは、結婚していない異性同士が……」
「変な事を吹き込むな!」
「えー、でも本当の事でしょう」
勇は溜息をついてカップを持ち上げる。
「大体何で来たんだ。本当は何か理由があったんじゃないのか?」
- 90 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet