11
すると誠は、少し遠くを見るような目をした。
「元気かと思いまして。可愛い生徒の心配をするのは、教師として当然でしょう?」
「…………」
勇は答えずに、黙ってコーヒーを飲んだ。
そんな二人を暖かな瞳で見たひかりは立ち上がり、静かに自分が寝る時に使っている部屋に入った。
ドアが閉まる音の後、誠が口を開く。
「ひかりさん、良い娘さんですね。大切にしてあげなくちゃ駄目ですよ」
「そうか?実は結構悪い奴だぞ」
あっさり返した勇を、誠は微笑んで見た。
ほんの数年前は、あんなに尖った雰囲気だったのに。
あの少女に出会ったからだろうか。
あの、ひかりという少女に。
- 91 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet