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ドアが開いて一人の少女が出て来た時は、心底驚いた。

部屋を間違えたのか、勇が引っ越したのかと思った。

少女は少し首を傾げて口を開いた。

「あの、どちら様ですか?」

「ああ、すみません。私は谷川【たにかわ】誠といいます。此処、神崎勇君のお宅ですよね?」

その言葉を聞いて、少女はすぐに明るい笑顔を浮かべた。

「勇のお知り合いですか?今、勇はバイトに行っているんですけど……。あっ、とにかく上がって下さい」

そう言って、ドアを大きく開ける。

通されたリビングは狭いながらも綺麗に片付いていて、花瓶に生けられた花が雰囲気を和らげている。

多分、この少女がやった事だろう。

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