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「それで、勇とは……」

ひかりが訊こうとしている事が分かったので、続けて答える。

「私は勇の先生というところでしょうか。彼が、まだ施設にいた頃の」

すると、ひかりは大きな瞳を更に大きくして誠を見詰めた。

「勇って、前はどんなでしたか?」

「え?別に普通の子でしたが……」

そう答えながら見返すと、少女は目を伏せて呟く。

「私、勇に拾ってもらわなかったら……きっと今頃不安で怖くて堪らなかった。それでも、今こうしていられるのは勇のおかけだから。私は、あの人の力になりたくて」

自分に出来る全ての事を捧げて。

力になりたいと願う。

時々寂しげに見えるあの人の。

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