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「勇、君の中には自分でも触れるのが恐ろしい痛みがあるのかもしれない。飲み込まれそうな寂しさがあるのかもしれない。だけど私は……いつかそれが、ひかりさんのような暖かさに変わって行く事を願うよ」

全てを包み込める、そんな暖かさがあるなら。

「……そうだな。俺も願うよ」

そんな事有り得ないと思っていても、願わずにはいられない。

どうしても。

『大嶋さんや私は知ってるから、一緒にいるの。勇が、優しい人って事』

何が、こんな気持ちにさせるのだろう。

こんな自分に。

二人の間に再び沈黙が降りた時、ひかりが顔を覗かせた。

「そろそろご飯の支度をしたいんだけど……。誠さん、何か食べたいものありますか?」

「え?ああ、そうですねえ。お任せします」

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