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「泊まってけばいいのに」
「そうですよ」
アパートの前で傘を差して言った勇の横で、ひかりも頷く。
「いや、明日も仕事があるしね。美味しい食事を有り難う、ひかりさん」
「あっ、いえ」
「じゃあ、また近い内に傘を返しに来るよ」
「ああ」
立ち去って行く誠を見送り、二人はアパートの部屋に戻った。
「……勇、どうしたの?」
「何がだ?」
「何となく……」
言い掛けたが、言葉を止めて首を振る。
「ううん、何でもない。お休みなさい」
「ああ。お休み」
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Reservoir Amulet