09
「戦う相手に情を移しては、駄目だ。守りたいものを守るには、迷わずに倒さなければならない」
始めてぶつかり合った視線。
訊きたくて、訊けなかった。
それは一体、誰のことを指しているのと。
何処か諦めたような、とうに覚悟を決めているような眼差しで。
いずれ自分に疑いがかかるのも、分かりきっていたかのように。
自分がどう思われどう見られても、構わないというように。
だからこそ、手錠を掛けた。
貴方に疑念を晴らすつもりが無いのなら、私が晴らす。
こうしていれば、やがて現れるだろうと思っていた。
彼とよく似た、もう一人が。
必ず、彼の疑いは晴れると分かっていた。
確信を込めて断言出来る。
この人は、側にいる誰かを裏切ったり傷付けたりなんて出来ない。
そんな事になる位なら、自ら傷付く方を選ぶ。
だから、そんな人だからこそ。
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Reservoir Amulet