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後ろから鋭い視線が突き刺さるのを感じて振り返る。

「あ、あのさ。華原さん、部屋の鍵は貰ってる?」

「はい、こちらに」

真宵は軍服のポケットを探り、キーホルダーの付いた鍵を取り出した。

「203か。俺は202なんだ。隣だね」

「隣……」

明らかに機嫌が悪くなった真宵に向かい、笑顔で話し続ける。

「荷物を運ぶの手伝うよ。何処に置いてあるの?」

「はい、そちらに」

真宵が示した先、階段の一段目に大きめのボストンバッグが置いてあった。

「……もしかして、これだけ?」

「ええ。必要な家具は、前もって運んで下さっていますから」

そういえば、数日前に隣の部屋が騒がしかった。

きっと前もって、卓が手配していたのだろう。

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Reservoir Amulet