12


「じゃあ、部屋まで運ぶよ」

そう告げてバッグを持ち上げ、その軽さに驚く。 

「階段、急だから気を付けてね」

「はい」

真宵は最小限の返事だけをして、後は黙ったまま付いて来る。

最初に大嫌いと宣言した通り、必要以上に関わるつもりは無いらしい。

これから一緒に仕事をするのだから、少しずつでも打ち解けられたら良いけれど。

狭い階段を上がって、同じく狭い廊下を進む。

一番奥の部屋、203号室の前で立ち止まって真宵の方を振り向く。

「此処だよ。片付けは……さすがに手伝えないよね。女の子の部屋なんだし」

バッグを差し出しながら言うと、真宵は手を伸ばして受け取る。

瞬間手が触れ合ったが、特に気にした様子も無く口を開く。

「有り難うございました」

「あ、ああ……うん。じゃあ荷物の整理が済んだら下に来てね」

「はい。では後程」

- 12 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet