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「……は?」

ぽかんとしたのは、真宵だけではなかった。

おいおい何言ってんだまた怒られるぞと、燎達が呆れ返る。

固唾を飲んだ三人の視線を受けながら、至聖は苦笑を浮かべた。

「なんて、冗談……」

言いかけたのを遮って、ふわりと甘い香りが至聖をかすめた。

柔らかで温かなものが、一瞬頬に触れて離れる。

「これでいいですか?」

驚く程に至近距離で、真宵が真面目に尋ねる。

「それとも、もっとした方がいいですか?」

「ええええっ!?」

最初に声を上げたのは燎だった。

悠也と卓も、目を見張って呆然としている。

しかし、誰よりも驚いているのは至聖だった。

二、三度口を開閉してから、ようやく声を出す。

「か、華原さん!駄目だよ、そんな、好きでもない人にあっさりキスなんてしたら……!」

おいおい言い出したのは自分だろ大体自分でそれ言ったら終わりだろと、燎達が再び呆れ返る。

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