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感情を読ませない声で言い残し、部屋に入ってドアを閉ざす。

しっかりと鍵を掛ける音が聞こえて来て、至聖は思わず苦笑を洩らした。

「うーん、思いっ切り距離を置かれちゃってるなあ」

必要以上に関わるな、踏み込むなという拒絶がひしひしと伝わって来る。

ドアの前を離れて歩き出しながら、低く呟く。

「それでも、俺は……」

考えは変わらない。

少しずつでも、打ち解けられたらいい。

いつか、仲良くなれたらいい。

一緒にいる内に、少しずつでも。

ラウンジに戻ると、パソコンや書類を広げて作業をしていた燎と悠也が顔を上げた。

「あれ、冴凪さんは?」

「仕事に戻るって、さっき出てったぜ」

「そっか。相変わらず忙しそうだね」

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