13
感情を読ませない声で言い残し、部屋に入ってドアを閉ざす。
しっかりと鍵を掛ける音が聞こえて来て、至聖は思わず苦笑を洩らした。
「うーん、思いっ切り距離を置かれちゃってるなあ」
必要以上に関わるな、踏み込むなという拒絶がひしひしと伝わって来る。
ドアの前を離れて歩き出しながら、低く呟く。
「それでも、俺は……」
考えは変わらない。
少しずつでも、打ち解けられたらいい。
いつか、仲良くなれたらいい。
一緒にいる内に、少しずつでも。
ラウンジに戻ると、パソコンや書類を広げて作業をしていた燎と悠也が顔を上げた。
「あれ、冴凪さんは?」
「仕事に戻るって、さっき出てったぜ」
「そっか。相変わらず忙しそうだね」
- 13 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet