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心から案じる二人の瞳に、真宵はふっと息をついた。

「有り難うございます。でも私より、五十嵐さんの力になってあげて下さい。あの人はちゃらちゃらして見えて、実はそれだけじゃない人ですし」

微笑みを浮かべて続ける。

「お二人共、仕事の仲間であるだけでなく、五十嵐さんのお友達でしょう?」

「……華原さん?」

悠也が訝しげに聞き返そうとした時、電車が目指す駅のホームに滑り込んだ。

「着きましたね」

開いたドアから出て行く真宵の後に続きながら、二人は顔を見合わせる。

あまり自身の内を明かさない彼女が何を思うのかは分からない。

本当に辛い事は、きっと誰だって。

自分達だって、話せないから。

けれど、だからこそ。

今はただ、願うだけだ。

いつか、心から笑い合えたら。

共に戦った戦友として、共に過ごす親友として。

いつか、皆で心から笑い合えたら。





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