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「……軍の関係者が、そんな事をそそのかすなんて。貴方もただでは済まないのではありませんか?」

「そうかもね。だけど、それは些細な事だよ」

笑って言い切って、真宵に語り掛ける。

「前に言った通りだ。いつだって、君の思う通りに選んで良い。君はいつも、自分に正直でいれば良い」

自分を殺し戦い続けるなんて、彼女には似合わない。

だから此処に一つ、別の道を。

「軍から抜けて、至高に付いて行っても良い。誰にも、文句なんて言わせないから」

「真宵さん、惑わされないで下さい。僕は君に不幸になってほしくない」

「自分の幸せは、他人に決められるものじゃない。至高、俺は貴方が気にくわないけど、それでも幸せになってほしいとは思うから」

願っても良いのだろうか。

せめて願わせてくれるだろうか。

こんな自分でも、彼女の幸せを。

「……分かりました」

気持ちを推し量ってくれたのか、真宵が静かに頷いた。

そして、一歩踏み出す。

ああ、これで。

これで、自分の役目は終わった。

これで、彼女のパートナーだった日々も。

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