10


「……あの、五十嵐さん」

しばらくの沈黙の後、真宵が戸惑いがちに口を開いた。

「どうしていつも、そんなに優しくして下さるんですか?」

「……どうして、かな」

真っ直ぐに見詰めて来る瞳から目を逸らして呟く。

何気無く見上げた空には、星が瞬いている。

いつか二人で話した事を思い出して、思わず口元が緩む。

美しい景色を見て感動出来るなら、人と同じだと彼女は言ったのだ。

戦う必要も無い、共存の道も探せると。

その言葉が、どれ程嬉しいものだったか。

真宵は分かっているのだろうか。

どれ程、救いを与えてくれているのか。

その無意識の優しさに、どれ程惹かれているのか。

- 141 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet