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至聖は溜息と共に話し出す。
「ほんとにさ、弟って不利だよ。至高なんて、一応は俺と双児って事になってるのに。兄ってだけでいつも先に行ってる」
だからいつの間にか、自身の内に本物と偽物という意識が刻み込まれたのだろう。
「好みも趣味も嫌になる程重なるのに、成功するのはいつも至高だ。本当、嫌になるよ」
本当に嫌になる。
以前は、それも事実と受け止められていたのに。
今はそれが出来ない。
みっともないと分かっていても。
「五十嵐さん?」
益々戸惑いの色を深くした真宵の瞳を見詰めて、囁くような声で言う。
「あのさ、やっぱり」
息を吸い込んで吐き出す。
もう、どうしようもない。
抑え切れない程、想いはつのって。
「俺じゃ、駄目かな」
「え?」
「好きだよ」
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Reservoir Amulet