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歯を食いしばり、渾身の力で体を持ち上げようとする。

「くっそ、何で俺がこんな事を……!」

「たまの見せ場だ。頑張りたまえ」

何とかして二階の窓へよじ登ろうとしている燎を、卓が下から冷静に応援する。

その時、黙って見ていた悠也が何気無く側にあったドアを押した。

「……このドア、開いてるけど」

「おや、そうかね」

「…………!?」

脱力して地面に落下した燎を見やりながら、二人はさっさとドアの奥に向かう。

「何をしている、柿崎君。急ぎたまえ」

「早く、燎」

「くっそ、何で俺がこんな目に……!」

燎は仲間の無情を嘆きつつ、何とか立ち上がって後を追った。

踏み込んだ建物の中は暗く、静まり返っている。

銃を取り出して安全装置を解除しながら、卓が低く呟く。

「我々の侵入は、既に気付かれているな」

「ですよね。警備も妙に緩かったし」

「鬼が出るか、蛇が出るか」

悠也の言葉に応えるかのように、暗闇の中で何かが動く気配がした。

「……っ」

素早く銃を向けた三人は、思わず息を飲んだ。

「成程。面白い趣向だ」

ふっと笑みを浮かべ、卓が続ける。

「さて、生き残るのはどちらかな?」

この闇の中、最後まで立っているのは果たしてどちらか。





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