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闇の中、響くのは激しい銃声。
此処が元軍の基地で、周りに民家が無いのが救いか。
建物の中で何が起こっているのか、外からは窺い知れない。
基地の周囲を見張る第一支部のメンバーから、異変を告げる連絡は今のところ入って来ない。
それが、彼等が上手くやっているという証拠なら良いのだが。
里沙は黙り込んだまま、暗い建物の方を見詰めていた。
思い浮かべるのは、今戦っている第二支部に所属する五人のことだ。
いわば人間側の切り札として集められた者達。
冴凪卓、柿崎燎、雪村悠也。
この三人は、かつて親しい者がモナダに成り代わっていると気付き、相手を自ら手に掛けた。
モナダを手に掛けた後で軍に志願して来た、その類まれな取り返しのつかない強さ。
五十嵐至聖、華原真宵。
この二人は、モナダを率いる五十嵐至高と浅からぬ因縁を持つ。
どちらが元となりどちらが真似たのか、分からない双子。
そしてその双子が選んだ女性。
「彼等なら、きっと変えてくれる」
里沙はそう呟いて、祈るように続ける。
「きっと、戻って来る」
滅びしか無い未来。
そんな定めは変えて。
愛する人を亡くした痛みを抱えて。
きっと戻って来てくれる。
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Reservoir Amulet