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「……貴方には、何だか泣いているところばかり見られますね」

やがて涙を拭いながら、娘が微笑む。

無理をして笑っているのは明らかだったが、立ち去るのも気が引けて歩み寄る。

「……断ったのですか?」

「はい」

短く尋ねると、彼女は静かに頷いた。

「この前話したでしょう。私はいずれ来るかもしれない人の滅びを止める為に何かしたいと考えているんです。きっと普通の死に方はしないでしょう。そんな私と付き合っても、気の毒なだけですよ」

そして傷付けてしまった事に傷付いて。

一人、泣いていたのか。

「……本当に変わっていますね」

「そうですか?私からすれば付き合う相手をころころ変える人の方が変わっていますけど」

「何かその人に恨みでもあるんですか?」

この前と同じようなやり取りに思わず尋ねると、娘は肩をすくめた。

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