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それから、度々図書館や人のいない中庭で会うようになった。
こちらの秘めた想いに気付いているのかいないのか。
彼女は常に線を引いているように、その先へ入って来ようとはしなかった。
読んでいる本や勉強の事などは話しても、自分のことはあまり明かさない。
そして、こちらのことも訊いて来ない。
一体真宵は自分をどう思っているのか。
嫌われている訳ではないだろうが、好かれているとも分からない。
そんな微妙な関係を続ける内に、それでも少しずつ。
ぽつりぽつりと、ふっとこぼすように。
彼女が、心を明かした事があった。
その中には、初めて会った時に話した好きだった人は姉だった事。
ずっと姉妹二人で手を取り合って生きていた。
その大切な姉が、いつからか変わってしまった事。
大好きだった姉を、もう好きとは思えなくなった。
そして、その姉は姿を消した。
どうなったかは分からないけれど、もう生きてはいないと感じると。
だから、姉に対して何も出来なかった自分をずっと責めている事を。
今からでも何か出来ないか、ずっと考えていた事を。
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Reservoir Amulet