05
「どうして、私にそんなに遠慮しているんですか?」
唐突に真宵が言った。
「え?俺、別に遠慮なんて」
「じゃあ、この距離は何ですか」
二人の間に開いている距離を指摘され、至聖は思わず言葉に詰まった。
「あんまりくっついたら迷惑かと思って……」
「あんまり離れていても不自然ですよ」
「そ、そうかな」
うろたえる至聖を見て、真宵がふっと微笑む。
「貴方は、本当に優しい人ですね」
「え?」
「優しくて不器用で、いつも誰かのことばかり考えて……。そんな貴方だから私は」
そこで一瞬言葉を止め、目を閉じて続ける。
「ずっと一緒にいたいって、思うのでしょうね」
「え!?か、華原さん。それってやっぱり俺のこと……」
「ですから、違」
いつものように否定しかけた真宵は、少し躊躇ってから言い直した。
「……わないかもしれません」
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Reservoir Amulet