06
「…………」
思わず硬直した後、至聖が恐る恐る聞き返す。
「あの、華原さん。今、何て言った?」
「ですから、私は貴方とずっと一緒にいたいと思うので……。五十嵐さんを好きというのも、もしかしたら違っていないのではないかと。ふと、思っただけで」
「本当に?」
重ねて問われ、真宵は照れたように頬を染めて目を逸らした。
「思っただけで、違うかもしれませんから」
「それでもいいよ。君がいつか俺を好きになってくれるかもしれない。それだけで、俺は生きて行けるから」
「…………」
迷い無く言い切った至聖を、真宵は思わず見詰めた。
「たまには、もっと貪欲になってもいいのに」
思わず呟くと、不思議そうな目が向けられる。
「華原さん?」
「貴方はとても素敵な人です。そして、世界はとても素敵なところです。望めばきっと、今よりももっと幸せになれるのに」
手を伸ばして、隣の至聖の服を掴む。
「至高さんのことを思い出すのは仕方の無い事です。私も時々思い出しますから。多分、忘れてはいけないとも思います。けれども、それに捕われてしまっては駄目です。貴方には貴方の素敵なところが、沢山ありますから」
- 197 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet