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「…………」

思わず硬直した後、至聖が恐る恐る聞き返す。

「あの、華原さん。今、何て言った?」

「ですから、私は貴方とずっと一緒にいたいと思うので……。五十嵐さんを好きというのも、もしかしたら違っていないのではないかと。ふと、思っただけで」

「本当に?」

重ねて問われ、真宵は照れたように頬を染めて目を逸らした。

「思っただけで、違うかもしれませんから」

「それでもいいよ。君がいつか俺を好きになってくれるかもしれない。それだけで、俺は生きて行けるから」

「…………」

迷い無く言い切った至聖を、真宵は思わず見詰めた。

「たまには、もっと貪欲になってもいいのに」

思わず呟くと、不思議そうな目が向けられる。

「華原さん?」

「貴方はとても素敵な人です。そして、世界はとても素敵なところです。望めばきっと、今よりももっと幸せになれるのに」

手を伸ばして、隣の至聖の服を掴む。

「至高さんのことを思い出すのは仕方の無い事です。私も時々思い出しますから。多分、忘れてはいけないとも思います。けれども、それに捕われてしまっては駄目です。貴方には貴方の素敵なところが、沢山ありますから」

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