07
至高はただならぬ気配を纏っていた。
常人とは思えない力が秘められているような。
それは自分の存在の秘密を知り、受け止めて。
達観していたからかもしれない。
彼のことは、忘れてはいけない。
きっと、忘れる事など出来ない。
生きて行く限り、楔のように胸に在り続ける存在だろう。
しかし、だからこそ。
「五十嵐さんが強く望むものがあるなら、きっと叶うでしょう。それだけの力を、貴方は秘めているでしょう。だからもっと貪欲に生きて下さい」
顔を上げて、胸を張って。
たったそれだけでも、見える景色は変わるだろう。
諦めていた願いさえ。
いつか、思わぬ形で叶うかもしれない。
「……そうだね。有り難う、華原さん」
至聖は穏やかに微笑んで言った。
「でもいいんだ。俺が望むのは、いつだって一つだけだから。今は無理強いしないで、ゆっくり待っていたいんだよ」
いつだって、笑っていてほしい。
初めて心奪われた、大切な人には。
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Reservoir Amulet