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至聖は複雑に思いながらも、笑顔を浮かべて言う。

「でも、今日初めて名前を呼んでもらえましたよ。五十嵐さんって、可愛い声で呼ばれた時には心底嬉しかったなあ」

「……小学生かね」

呆れたように突っ込まれても気にせずに続ける。

「まあ、そんな訳でゆっくりやって行きますから」

「そうか。私は二人なら上手くやってくれると思って組んでもらった。それは確かだからね」

「ご期待に応えられるよう、頑張ります」

卓にお辞儀をして、その場を離れる。

階段に足をかけながら、自分の上着のポケットに触れた。

もうそこには何も入ってはいないのに、まだあのビニール袋があるような気がする。

「……本当に気持ち悪いな」

低く呟いて、息を吐き出す。

「宇宙人とか、そんなのは本当に冗談だったらいいのに」

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